2003年9月5日金曜日

アガリクスの効用について

そんなに簡単なものじゃない。

癌には「外科手術」「放射線」「抗ガン剤」と大きく3種類の療法が主流となっている。でもこれらはみてもわかるように副作用のリスクが高いという問題がある。で、新しい患者の体に負担の軽い療法ということで80年代から注目を集めているのが「免疫療法」。

これは、簡単にいうと風邪を引いたときのように体にバイ菌のような異物が入るとリンパ球がバイ菌を攻撃して風邪を治す免疫機能を利用して、癌をなくしてしまおうというもの。この療法は
1. 癌細胞を異物として認識させる
 2. 通常癌細胞撲滅に十分でない免疫機能を高める
という2つのことが療法の柱で、方法によって何種類かの療法がある。

この免疫療法は、確かに癌の研究や遺伝子工学の発展でこれから癌療法の柱になると可能性があるけれど、現時点で上の2つをガン細胞に打ち勝つレベルに安定して達するほど医療として成熟しておらず臨床応用も限られているのが実態。

アガリクス、超低分子フコイダンなどは2の免疫力を高めることを補助する機能性食品の一つ。なので、これだけやっても有効な療法にはならないと思う。また、こういった機能性食品の多くはとても大きな分子のタンパク質が有効な成分らしいけど、壊れやすく吸収されにくいので、同じアガリクスでも種類によって人によって合う合わないがあって、免疫力向上につながるかどうかは難しいらしい。

なので、いろいろ癌の特効薬みたいな騒がれ方をしているけど、こういったものは昔結核にかかった人に「卵食べて精をつけや」といった同程度のことだと思う。

民間療法や変な業者も多いので、やるならば、医療として1と2をセットで臨床応用した免疫療法をやってくれるところでちゃんとやったほうがよい。

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