2003年9月25日木曜日

ホスピス

今後のためにまとめておく。

ホスピスとは、治癒不可能な疾患の終末期にある患者および家族の生活の質(QOL: Quarity of Life)の向上のために、専門家が協力して作ったチームによって行われるケアのこと。そのケアは、患者と家族が可能な限り人間らしく快適な生活を送れるように提供される。ケアの要件は、以下の5項目である。

  • 人が生きることを尊重し、誰にも例外なく訪れる「死への過程」に敬意をはらう。

  • 死を早めることも死を遅らせることもしない。

  • 痛みやその他の不快な身体症状を緩和する。

  • 精神的・社会的な援助を行い、患者に死が訪れるまで、生きていることに意味を見出せるようなケア(霊的ケア)を行う。

  • 家族が困難を抱えて、それに対処しようとするとき、患者の療養中から死別したあとまで家族を支える。



ホスピスを提供できる施設を紹介している団体はいくつかある。

知っておきたい最近の肺がん治療

羽曳野病院公開講座として「知っておきたい最近の肺がん治療」が以下の要領で実施される。

日時:平成15年9月27日(土)  午後2時~4時30分
場所:羽曳野病院管理診療棟  2階  第1会議室
定員:70名(先着順)  参加費無料
申込:9月1日から電話にて受付します。
   羽曳野病院事務局総務課  0729-57-2121
内容:

  1. 肺がんの検査と標準的な治療 肺腫瘍内科部長  松井 薫

  2. 最新の外科治療 呼吸器外科部長  中川勝裕

  3. 最近の治療薬(分子標的治療)アイソトープ科部長兼生理機能検査科部長 平島智徳

  4. 支持療法と緩和ケア 看護長  畠中恭子

アガリクスなどの代替医療

キノコ類やハーブ類などを使った民間のがん代替療法の実態調査を、厚生労働省の研究班が2002年ころから行っている。
研究班は、がん専門病院やホスピスなど全国60以上の施設で数千人にアンケートを実施。臨床試験で科学的に有効とされたものはほとんどないにも関わらず、治療目的で代替医療にすがる患者が多いらしい。兵頭医師らが専門医約750人に尋ねたところ、8割が「効果はあまりない」と答えたにも関わらず、多くの患者ががんが治ることを期待して代替療法を選んでいるとみられる。四国がんセンターで入院患者192人に聞いた結果、3割が試していた。費用は月に10万円以上が1割。20万円以上の人もいた。

痛みをとる針や香りによるアロマセラピーなど補完療法とも呼ばれるものは治療が目的ではなく、気持ちを癒やしたり症状を軽くしたりする効果を狙うものもある。これに対し、多くの医師が頭を悩ますのは治療を目的に健康食品などを使うケース。末期患者ほどこの手の代替治療を希望し、医者が認めるケースも多い。これは、

Global Risk Communications Newsletter「がんの代替療法、有効性と安全性のまとめ」

医師が「効果の可能性があるので、承認する」という「積極的」な意味ではけっしてない。むしろ、「効果は未確認だが、重大な害の可能性は低いので、患者が希望する場合には、反対しないでその意志を尊重する」という「消極的」な意味である

2003年9月23日火曜日

治療戦略

通常の場合に、治療戦略を立ているために医者が頭の中でたどるフローチャート。


2003年9月22日月曜日

タキソテール

タキソテール(Taxotere/RPR)は商品名。一般にはドセタキセルと呼ばれる。
適応症:
細胞が分裂する際に与える影響から有糸分裂阻害剤とも呼ばれる。乳ガン及び、非小細胞肺ガン、胃ガン、頭頸部ガン、卵巣ガンなどの治療に使用される。

作用:
ドセタキセルはガン細胞の成長を阻害したのち破壊する。
用法:
ドセタキセルは静脈への点滴によって1時間以上かけて投与する。
副作用:
主な副作用は、血球、血小板の低下、脱毛。
化学療法に反対する医師により危険な抗ガン剤とされるケースもある。

間質性肺炎

間質性肺炎のページ
間質性肺炎(正確には、その中でも発生原因が不明な特発性間質性肺炎)は、国が難病として研究・調査の対象に指定した118の難治疾患(「特定疾患」と呼ばる)の中の1つで、発病率は、一般的に10万人に5人程度。

肺胞の壁(間質)に炎症がおきる病気を総称して「間質性肺疾患」と呼んでおり、 この中でも、線維化をおこしやすい病気を特に間質性肺炎とまとめて呼んでいる。 一般的に単に「肺炎」と呼んでいる疾患は、細菌やウィルスの感染が原因で肺胞の内部 (空気のあるところ)に炎症が起こるが、この点が肺炎と間質性肺炎とが大きく異なる点です。

診断結果

生検の結果、小林医師の診断結果は以下の通り。

病名:肺ガン(扁平上皮癌)
左の肺上部に拳大の癌が見られ、これが原発。右肺にも2cm程度の癌が2つほど癌が認められる。つまり、血流を介して転移が始まっている全身癌の状況。末期ではないが病期でいうとⅣ期。
このほか肺底部に網状の影が認められる。これは間質性肺炎。非常に稀な病気だが難病。現在根治する療法はない。

治療法:
転移が始まっているⅣ期のため局所療法である手術、放射線、レーザーなどは治療としては意味が無い。また、年齢的な面と肺炎を併発しているため体力の面からリスクが高い。このため、現在検討できる療法は化学療法(抗ガン剤)による治療。ただし、根治治療は望めず、あくまで延命目的。ある程度の効果があったとして平均的には余命は6か月(ただし、抗ガン剤の効果が著しく認められる場合はさらに延命の可能性もあり)。治療を行わない場合3〜4か月。
抗ガン剤はタキソテールを使用し、3週に一度点滴のより注入する(注入には約2時間)。副作用の状況によっては通院での療法も可能。

予見されるリスク:
抗ガン剤により間質性肺炎が悪化する可能性があり、この場合致命的な結果となるケースも考えられる。
副作用としては、1週目に吐き気、目眩など。2週目からは白血球、赤血球、血しょうの減少などがあり、この場合白血球増加剤、輸血等の処置が必要となり毎週通院となる場合もある。

以下は、家族への告知の際の小林医師のメモ
kokuchi